『Call of Duty: Modern Warfare 4』のNATタイプを改善する方法
まず、MW4のNATを本当に改善する必要があるか確認する
Moderate、Strict、Type 3など、厳しめのNATが表示されても、すぐにルーター設定を変更する必要はありません。NATの表示自体を良くすることが目的ではなく、MW4のマルチプレイ接続に実際の制限が出ているかどうかが判断基準です。
まず確認するのは次の2点です。
- PCやコンソールに表示されている現在のNAT状態
- 一部のフレンドのパーティーに参加できない、フレンドが自分のパーティーに参加できない、特定のプレイヤーとのマルチプレイ接続が成立しない、といった実際の接続問題があるか
ActivisionのCall of Duty向け一般資料では、NATはどの機器同士で接続を確立できるかに関係し、より制限の強いNATでは接続可能な相手が限られると説明されています。
ただし、最も開放的な表示でなければ必ず設定を変える、という意味ではありません。ModerateやPS5のType 2でも、パーティー参加、フレンドとの接続、マルチプレイが問題なく使えているなら、表示だけをOpenやType 1へ近づけるためにネットワーク構成を変更する必要はありません。
Open NATでもPingが低くなるとは限りません。NATは主に接続互換性に関係し、Pingは通信データが往復する際の遅延を示します。すでにOpen NATなのに、高Ping、パケットロス、ラバーバンディング、操作の反応遅延が問題になっているなら、NATをさらに触るのではなく、遅延や回線品質の切り分けへ移ります。
PC、Xbox、PS5のNAT表示を横並びで換算しない
NATの呼び方はプラットフォームによって異なります。Open = Type 1、Moderate = Type 2のような一対一の換算はしません。
| プラットフォーム | NATの表示 | 確認場所 | 対応を続ける目安 |
|---|---|---|---|
| PC | Activisionの一般資料ではOpen / Moderate / Strict | MW4正式版で実際に表示されるNAT状態を基準にする | Strict、またはModerateで実際にパーティー/マルチプレイ接続の互換性問題が出ている場合 |
| Xbox Series X|S | Open / Moderate / Strict | Xbox本体のネットワーク設定/NAT結果 | Strict、または本体側でNAT問題が表示され、実際にマルチプレイ接続が制限されている場合 |
| PS5 | Type 1 / Type 2 / Type 3 | PS5本体に表示されるNAT Typeを確認する | Type 3で実際のマルチプレイ接続問題がある場合。Type 2で正常に遊べているならType 1を目指す必要はない |
Microsoftの現行資料でも、NATはOpen、Moderate、Strictの3段階で扱われています。Openは接続制限が最も少なく、ModerateはOpen/Moderateとの接続が可能で、Strictはより制限が強くなります。
PS5ではType 2そのものを異常扱いしないことが重要です。一般的な家庭ネットワークはルーターを経由するため、マルチプレイに実害がなければ、Type 1を目指して通常のネットワーク構成を崩す必要はありません。Sonyも、IP、DNS、MTUなどの高度なネットワーク設定に詳しくない場合は、ISPやネットワーク管理者の案内に従うよう案内しています。
マッチメイキングが遅い、ボイスチャットに問題がある、時々切断されるといった症状だけでは、NATの問題とは判断できません。厳しいNAT表示とプレイヤー間接続の制限が同時に出ている場合に、補助的な手掛かりとして見ます。高Ping、パケットロス、ラバーバンディングだけでは、NATに問題があるとは言えません。
Xboxにはプラットフォーム固有の確認方法もあります。Xbox本体でNAT/マルチプレイ接続の問題が出ている場合は、Xbox Supportの高度なネットワーク設定に沿って、Settings → General → Network settings → Advanced settings → Alternate port selectionから別のポートをテストできます。
Microsoft GDKでは、Xboxの優先マルチプレイUDPポートには自動フォールバックがあることも説明されています。そのため、3074をMW4専用の唯一の固定ポートと考える必要はありません。テスト後はAutomaticへ戻すこともできます。
実際にマルチプレイ接続へ影響があるときだけUPnPを確認する
NATが厳しい状態で、パーティー参加やフレンドとの接続などに実際の問題が出ている場合に、初めてルーター側の設定を確認します。
UPnPは、機器やアプリケーションがルーターへ必要なポートマッピングを自動で要求する仕組みです。最初から複数のポートフォワーディングルールを手入力するより、早い段階で確認しやすい項目です。TP-Linkもゲーム機をUPnPの代表的な利用例として挙げ、自動でポート転送設定を行えると説明しています。
設定画面の場所は、ほかのルーターのスクリーンショットをそのまま当てはめないようにします。機種によってAdvanced、NAT、Networkなど異なる項目内にあることがあり、初期状態ですでに有効になっている場合もあります。
自分が使っているルーターの管理画面を開き、メーカーと機種ごとの公式手順に沿ってUPnPを確認します。変更する前に元の状態を記録し、一度に変更するのはこの項目だけにします。その後、次の2点を再確認します。
- NATの表示が変わったか
- 元々発生していたパーティー参加、フレンド接続、マルチプレイ接続の問題が改善したか
UPnPは自動でポートマッピングを作れる一方、LAN内のアプリケーションから自動でマッピングを要求できる仕組みでもあります。自分で管理している信頼できる家庭内LANで、ルーターメーカーの案内に従って利用します。NATを改善するためにファイアウォールなどの安全機能まで無効にする必要はありません。
UPnPが正常に動作していてもNATが厳しいままなら、すぐに手動でポートを開けるのではなく、家庭内ネットワークがDouble NATになっていないかを先に確認します。
NATが改善しないなら、家庭内にDouble NATがないか確認する
一般的な家庭ネットワークでは、ルーティングとNATを担当する機器は1台です。
Internet
↓
Router(NAT)
↓
PC / Console
ISPから提供されたゲートウェイがすでにNATを行っていて、その後ろに自分のルーターを追加している場合は、次のような構成になることがあります。
Internet
↓
ISP Gateway(NAT)
↓
Router(NAT)
↓
PC / Console
家庭の外側にさらにNATがあるケースもあります。
Internet
↓
ISP CGNAT / Shared IPv4
↓
Router(NAT)
↓
PC / Console
NETGEARは、ISPゲートウェイの後ろに自分のルーターを接続する構成や、ルーター同士を直列に接続する構成を代表的なDouble NATの例として挙げています。また、Double NATはオンラインゲームやポートフォワーディングへ影響する場合があると説明しています。
まず、自宅のネットワークが実際にどのような構成になっているかを確認します。
- ISPから提供されたONU/ホームゲートウェイがルーター機能も担当していないか
- その後ろに自分で購入したルーターを接続していないか
- ルーターを2台直列に接続していないか
- メッシュWi-Fiのメイン機器がルーターモードで動作し、上位ゲートウェイも同時にNATを担当していないか
ここで必要なのはネットワーク構成の確認です。Strictと表示されたという理由だけで、すぐにブリッジモードへ変更するわけではありません。
2台の機器がどちらもルーター/NATとして動作していることを確認できた場合に限り、それぞれの機器やISPの公式資料を確認し、上位ゲートウェイをブリッジ/パススルーにする方法、または下位ルーターをAPモードにする方法が適しているか検討します。
これらの設定は、家庭内ネットワークで各機器が担当する役割そのものを変更します。たとえばNETGEARは、APモードでは一部のルーター機能が無効になることを案内しており、ブリッジモードが使えるかどうかも上位ゲートウェイ側の仕様に依存します。
ゲーム記事だけを見て、自分のルーターにあるはずのブリッジ設定を推測しないようにします。機器やISPが対応していない場合は、別メーカー向けの手順をそのまま適用しません。
Double NATがないなら、CGNATと日本の回線条件を確認する
家庭内にルーターが1層しかないことを確認してもNATが厳しいままで、特にポートフォワーディングまで検討する場合は、WAN側も確認します。
比較するのは次の2点です。
- ルーターに表示されているWAN IPv4
- 外部サイトから確認できるグローバルIPv4
WANアドレスが10.0.0.0/8、172.16.0.0/12、192.168.0.0/16などのプライベートアドレス、または100.64.0.0/10の共有アドレス範囲に入っている場合や、WANアドレスと外部から見えるグローバルIPv4が明確に異なる場合は、ルーターより上位に別のNATが存在する可能性があります。100.64.0.0/10はRFC 6598でサービスプロバイダー向けのShared Address Spaceとして定義されている範囲です。
ただし、これだけでCGNATだと断定することはできません。家庭内に別の上位ゲートウェイが残っていれば、同じような結果になることがあります。前の家庭内トポロジーと合わせて判断します。
ISP側の共有IPv4/CGNATだと確認できた場合、家庭用ルーターのUPnPやポートフォワーディングでは、ISP側にあるNATまで制御できない可能性があります。この状態でローカル側のポート設定を何度も追加しても意味がない場合があるため、ISPに次のような選択肢があるか確認します。
- グローバルIPv4
- 固定IPv4
- 外部からのIPv4着信を受けられるオプション
- ポートマッピングが必要な用途に適した別の接続方式
こうした回線条件を変更しても、MW4が必ずOpen NATになるとは事前に保証できません。変更後に改めて確認します。
日本ではIPv4 over IPv6環境にも注意が必要です。IPv4 over IPv6をそのままCGNATと同一視することはできませんが、サービスによっては一般的なポートフォワーディングが制限される場合があります。
Buffaloの資料では、transix環境では通常のポート変換を利用できず、v6プラス、IPv6オプション、OCNバーチャルコネクトなどでも、回線仕様によってポート変換を設定しても転送できない場合や、割り当てられた範囲内のポートだけ利用できる場合があると説明されています。
このような日本の回線を使っている場合、ModerateやStrictという表示だけを見てローカル側のポート設定を何度も変更しないようにします。まず利用中のISPとルーターの接続方式を確認し、そのサービスで外部からのIPv4着信やポートフォワーディングが利用できるかをメーカー/ISPの資料で確認します。
ネットワーク構成に明確な制限がない場合は、NAT最適化を検討する
Double NATが見つからず、現在のISP接続方式にもポートマッピングを明確に制限する条件がないにもかかわらず、MW4で特定のパーティーに参加できない、フレンドが参加できない、またはマルチプレイ接続の互換性問題が続く場合は、GearUPのNAT最適化機能を試すことができます。
コンソールプレイヤーは、まずGearUP Router Pluginを検討してください。対応ルーターにインストールし、ルーター側でコンソールの接続最適化を行うため、PS5やXbox Series X|S本体に追加ソフトウェアを入れる必要はありません。自分のルーターのブランド、型番、システムが現在の対応範囲に含まれているか確認したうえで、対応する公式ガイドに従ってインストールし、MW4を選択してください。
- ASUSルータープラグインの紹介
- ZTEルータープラグインの紹介
- Tendaルータープラグインの紹介
- OpenWrtルーターへのインストールガイド
- Keenetic/Netcrazeルーター向けプラグインガイド
- Steamハードウェアプラグインのインストールガイド
Router Pluginを使用した後は、NAT表示がすぐにOpenへ変わるかだけを見るのではなく、以前は参加できなかったパーティー、フレンド接続、特定プレイヤーとの接続をもう一度テストしてください。実際のマルチプレイ接続制限が解消されていれば、Open NATを目指して家庭内ネットワーク構成をさらに変更する必要はありません。
PCプレイヤーはGearUP Windowsを使用できます。GearUPで『Call of Duty: Modern Warfare 4』を検索し、NAT最適化を有効にしてからゲームを起動し、接続状況をテストしてください。Windows版では、ノード、サーバー、ゲーム経路などの接続情報も確認できるため、最適化前後の状態を比較しやすくなります。
ルータープラグインとPC版のどちらを使う場合でも、確認すべき結果は2つです。NAT表示が変わったか、そして元々あったパーティー、フレンド、マルチプレイ接続の問題が改善したかです。GearUPはDouble NAT、CGNAT、IPv4 over IPv6の制限を確認する作業の代わりにはなりません。ISPまたは上位ネットワーク自体が必要な外部接続を許可していない場合は、回線構成とサービス仕様に戻って判断してください。
手動ポートフォワーディングは最後に行い、MW4の公式ポートだけを使う
ポートフォワーディングは、UPnP、Double NAT、WAN側のネットワーク構成を確認した後に行います。
家庭内にDouble NATがある場合や、ISP側の構成によって外部IPv4着信を自分で制御できない場合は、下位ルーターにポート番号を入力しても、上位側のNATを解消することはできません。
そして最も重要なのは、過去のCall of DutyタイトルのポートをMW4用として流用しないことです。
Activisionは、ゲームタイトルとプラットフォームごとにCall of Dutyの正式な使用ポートを管理しています。MW4で手動ポートフォワーディングを設定する場合は、Activision公式ポート一覧に『Call of Duty: Modern Warfare 4』が明記され、さらに自分が使用しているプラットフォームのポートが掲載されている場合に限り、その公式情報を使用します。
公式ポート一覧にMW4が掲載されていない場合は、『Call of Duty: Modern Warfare III』、『Call of Duty: Black Ops 7』、『Call of Duty: Warzone』など、別タイトルのポート一覧で代用しません。
実際にポートフォワーディングを設定する前には、次の条件も確認します。
- 現在のWAN環境が外部からの着信を受けられること
- ゲーム用PC/コンソールが安定したLAN内IPを使っていること。必要に応じてDHCP Reservationを利用する
- ActivisionがMW4と該当プラットフォーム向けに明示したポートだけを開けること
- 変更後にNAT状態と元々のマルチプレイ接続問題をもう一度確認すること
一度改善しなかったからといってポート範囲を広げないようにします。Open NATを得るためにDMZ、Exposed Host、1–65535の全ポート開放を使ったり、Windowsやルーターのファイアウォールを無効にしたりすることも避けます。
公式のMW4ポートを正しく設定してもNATが厳しいままなら、さらに過去タイトルのポートを追加するのではなく、Double NAT、ISP側のNAT、回線仕様をもう一度確認します。
変更するたびに、NAT表示と元のマルチプレイ問題を両方確認する
NATのトラブルシューティングは、「Openになれば成功」で終わるものではありません。
一度に一つだけ条件を変え、そのたびに次の2点を確認します。
- NATタイプは変わったか
- 元のマルチプレイ接続問題は改善したか
たとえば、特定のパーティーに参加できなかったなら、同じパーティーへもう一度参加できるか確認します。フレンドが自分のパーティーへ入れなかったなら、同じ相手に再度試してもらいます。特定のプレイヤーとの接続に失敗していたなら、同じ種類の接続をもう一度確認します。
NATの表示が変わらなくても、元のパーティー/フレンド接続問題が解消したなら、OpenやType 1を目指して家庭内ネットワークをさらに変更する必要はありません。
逆に、すでにOpen NATなのに、高Ping、パケットロス、ラバーバンディング、操作遅延などが残っているなら、NAT設定の変更はそこで止めます。次に確認するのはサービス状況、ゲームサーバー、Wi-Fiの安定性、ISP経路、実際の遅延/パケットロスです。ポートをさらに開放しても、こうした問題を直接解決できるわけではありません。
NAT最適化が成功したかどうかは、最終的にマルチプレイ接続の制限が解消したかで判断します。NATのラベルだけを最終目標にしないことが重要です。
著者について
終わり
